「案件に応募したいけど、ポートフォリオがない」「実績ゼロなのに、何を載せればいいのか分からない」
Canvaを一通り触れるようになった人が、次に必ずぶつかるのがここです。応募フォームに「ポートフォリオのURLをご記入ください」と書かれていて、そこで手が止まる。
この記事では、実案件を1件も受けていない状態から、応募に使えるポートフォリオを作る手順を整理します。
先に結論を言うと、未経験でもポートフォリオは作れます。ただし、多くの人がやっている作り方だと、作っても通りません。理由は最初の見出しで説明します。
※本ページはプロモーションを含みます
通らないポートフォリオは「作品集」になっている
一番多い失敗が、きれいな作品を並べただけのページです。
バナーが8枚、インスタ投稿が6枚、きれいに並んでいる。本人としては「頑張って作った」ものです。でも、これを見た発注者の頭には何も残りません。
発注者が知りたいのは「上手いかどうか」ではなく、次の3つだからです。
- こちらの意図を汲んでくれるか(言われたまま作る人か、目的を考える人か)
- やり取りが成立しそうか(説明ができる人か)
- 自分の案件と近いものを作れるか(美容系が欲しいのに全部子ども向けだと判断できない)
画像を並べただけのページは、この3つのどれにも答えていません。だから上手くても通らないことが起きます。
ポートフォリオは作品集ではなく、実績の見せ方です。画像はその一部でしかありません。
1点ごとに添える3つの情報
では何を書けばいいのか。作品1点につき、次の3つをセットにします。
① 誰の、どんな依頼か
「30代女性向けのオンラインヨガ教室の、体験レッスン告知バナー(Instagramストーリーズ用)」
このくらい具体的に書きます。ターゲット、業種、用途、掲載場所まで。ここが書かれていると、発注者は自分の案件に置き換えて読めます。
② どこを狙って、どう作ったか
「一番伝えたいのは『初回無料』だと考え、金額を画面中央に大きく配置しました。ヨガの落ち着いた印象を出すため彩度を抑えた配色にし、フォントは丸みのあるゴシックで初心者でも入りやすい雰囲気にしています」
ここが一番大事です。書けるかどうかで「作れる人」と「考えて作れる人」が分かれます。しかも文章なので、デザインの腕がまだ発展途上でもカバーが効きます。
③ 結果どうなったか
実案件なら「クリック率が◯%改善した」「クライアントから継続依頼をいただいた」などを書きます。
数字がない場合や、次に説明する架空案件の場合は、この欄は無理に埋めません。書けないことを書かないのも信頼のうちです。
実案件がないなら「架空案件」で作っていい
ここが未経験者にとって一番の関門ですが、答えはシンプルです。
架空の依頼を自分で設定して作れば大丈夫です。ただし、架空であることを必ず明記します。
たとえばこう書きます。
※この作品は、実在の企業からの依頼ではなく、練習用に自分で条件を設定して制作したものです。
これを書いておけば、嘘にはなりません。逆に、書かずに実績のように見せると、後で必ず問題になります。クライアントは既存の取引先に確認を取ることもありますし、何より最初の仕事を嘘から始めると、その後ずっと引きずります。
そして実務的な話として、架空だから評価されない、ということはありません。発注者が見ているのは前の見出しで挙げた3つで、そのどれも架空案件で示せます。
架空案件を作るときのコツは、設定を細かく決めてしまうことです。
- 業種(美容室、整体院、学習塾、パン屋、オンライン講座…)
- ターゲット(年齢、性別、悩み)
- 目的(予約を取る/認知を広げる/リストを集める)
- 掲載場所(Instagram投稿/広告バナー/店頭のA4チラシ)
- 制約(ロゴは必ず入れる/写真は1枚まで、など)
設定が細かいほど、②の説明が書きやすくなります。逆に「なんとなくおしゃれなバナー」を作ると、説明のしようがなくなります。
なお、実在の店舗のチラシやバナーを自分なりに作り直す方法もありますが、その場合は企業名やロゴを出さず「架空の◯◯店」として扱うのが無難です。
何点あればいいか
結論から言うと、5〜8点で十分です。
20点並べる必要はありません。質にばらつきがあると、全体の印象は一番低い作品に引っ張られます。自信のない作品を「点数稼ぎ」で入れないでください。
内訳の考え方はこうです。
- 狙う案件の種類に寄せた作品を3〜5点(バナー案件を取りたいならバナー中心。SNS運用なら投稿セット)
- 幅を見せる作品を2〜3点(チラシ、スライド、サムネイルなど別の形式を少し)
「まずバナー5点」から始めて、応募していきながら足していくのが現実的です。最初から完璧なものを作ろうとすると、いつまでも応募できません。
どこに置くか?
置き場所は、無料で用意できます。
Canvaのウェブサイト機能
Canvaには、デザインをそのままWebページとして公開できる機能があります。作った作品と説明文を1枚にまとめて公開すれば、それがそのままURLになります。
Canvaで作っているものをCanvaで見せる、という一貫性もあります。
note
文章を書きやすいのが強みです。1点ごとの「どこを狙ってどう作ったか」を書くには、画像だけのサービスよりnoteのほうが向いています。無料で始められます。
PDF1枚
クラウドソーシングの応募時に添付する用です。相手がURLを開かなくても中身が伝わります。CanvaからそのままPDF書き出しができます。
迷ったら、note(説明を読ませる用)+PDF(応募添付用)の2つで始めるのがおすすめです。
それでも残る問題:自分の作品の良し悪しが自分で分からない
ここまでの手順は、今日から自分でできます。
ただ、実際に作り始めると、多くの人が同じところで止まります。
「これ、載せていいレベルなんだろうか」
自分で作ったものを自分で評価するのは、とても難しいです。作っている最中は客観視できませんし、翌日見ると急に微妙に見えたりします。判断がつかないまま5点そろわず、応募まで辿り着かない。これが一番よくある詰まり方です。
対処は2つあります。
ひとつは、第三者に見てもらうこと。デザインを知っている人でなくても構いません。「このバナー、何のバナーに見える?」「一番目立ってるのはどこ?」と聞くだけで、狙いが伝わっているかは分かります。家族でもできます。
もうひとつは、自分の目そのものを鍛えること。こちらは時間がかかりますが、効果は長持ちします。定番の方法はトレース(模写)です。プロが作ったバナーやチラシを、Canvaで一から作り直してみる。すると、余白の取り方、文字サイズの差のつけ方、色数の絞り方が「なぜそうなっているか」で見えてきます。
自分の作品を見る目は、良いものを分解した経験の量で決まります。作る量だけ増やしても、見る目は自動的には育ちません。
学び直しを選ぶなら
自分の目を鍛える工程を独学で組むのは、正直むずかしいです。何を模写すればいいのか、どこを見ればいいのか、模写したものが合っているのか。この判断自体に目が必要だからです。
体系的にやりたい場合、講座を使うのはひとつの選択肢です。
たとえばデジタルハリウッドとCanvaが共同開発した「Canvaデザインプログラム」は、9つのモジュールのうち3つ目が「トレース(模写)による基礎固め」になっています。模写を独学の自己流ではなく、カリキュラムとして扱っている構成です。その後にデザインの4原則、ブランド設計と続きます。
また、マスター(39,800円)以上のコースには質問・添削・ライブ授業が付きます。ポートフォリオに載せる前に第三者の目を通したい、という今回の話に直接効くのはここです。ライト(8,300円)は動画視聴のみでサポートが一切ないため、「見てもらう」目的なら意味が変わってきます。
ただし、誰にでも必要なものではありません。作ったものを見せられる相手がすでにいる人、まず応募して発注者からのフィードバックで学ぶと決めている人は、そちらのほうが早いです。5点作って応募してみるのが先で、講座はその後で考えても遅くありません。
在宅でできる仕事、私にもできるかな?
家で働きたいけれど、
何から始めればいいかわからない。
そんな方におすすめなのが、
Canvaを“仕事で使えるスキル”にすること。
- 初心者から学べる
- オンラインで完結
- スキマ時間でも学びやすい
まとめ
未経験からポートフォリオを作るときの要点を整理します。
- 作品を並べるだけの「作品集」は通らない。実績の見せ方にする
- 1点ごとに「誰のどんな依頼か/どこを狙ってどう作ったか/結果どうなったか」を添える
- 実案件がなければ架空案件でいい。ただし架空だと必ず明記する
- 点数は5〜8点。質にばらつきを出さない
- 置き場所はnote+PDFで十分。Canvaのウェブサイト機能も使える
- 詰まるのは「自分で良し悪しが判断できない」ところ。人に見せるか、模写で目を鍛える
最初の1点を作るのが一番重いです。業種と目的を決めて、バナーを1枚だけ作る。そこから始めてください。
※この記事の内容は一般的な考え方の整理であり、案件の受注や収入を保証するものではありません。
この記事の情報は2026年9月時点のものです。講座の料金・内容、Canvaの機能や価格は変更される場合がありますので、必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
